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「サポートファイル あいぽっぽ」子どものの一生を通じた相談支援を切れ目なく行うためのアイテム
鳥取市が配布している「サポートファイルあいぽっぽ」について解説します。サポートファイルあいぽっぽは、お子さんが生まれた時から成人するまでの日常や相談の記録を、一冊のファイルに保管することで、ライフステージが変わっても相談支援をスムーズに行えるようにと考案されたものです。
主に、発達に課題を持つお子さんや特別は配慮が必要なお子さんのために活用するファイルのようです。
ファイリングするものはどんなもの? どうして一冊にまとめておく必要があるの?
など、使い方に対する疑問を持つ方もいるかも知れません。そこで今回は、サポートファイルあいぽっぽについて、作成された意図や使い方について詳しく紹介していきます。
成長・支援の記録を一冊にまとめるファイル
サポートファイルあいぽっぽには、以下のような記録をファイリングしていきます。
- 乳児検診のときの記録
- 生まれてからの日々の成長の記録、日記、写真
- 病院で受けた検査の結果
- 発達検査の結果
- 病気をしたときの記録
- 保育園、幼稚園、学校等で使ったプリント
- 福祉支援を受けたときの計画書
なぜ、こうした記録を一冊にまとめて置く必要があるのでしょうか?
ファイリングの意義
特別支援教育を受ける子どもたちへの対応は、途切れ途切れになる傾向が大きいのです。
大きな理由が、保育園、小学校、中学校、高校と進学するたびに、支援する人や場所が変わってしまうこと。また、病院や相談所など複数の機関に関わる必要があるのに、それぞれの施設間で連携が取れていない場合があることなども挙げられます。
支援の流れが途切れることで、保護者の方や本人に大きな負担がかかります。生活や発達の状況や相談したい内容を一から説明しなくてはならないからです。
この課題を解消するために、サポートファイルあいぽっぽが考案されました。記録を年齢順にファイリングしておけば、新しい学校、施設に入る際にサポートしてほしいことや相談したい内容がすぐに確認できるからです。
サポートファイルあいぽっぽ活用事例
サポートファイルあいぽっぽが活躍する場面として、小学校や中学校の個別懇談や移行支援会議などがあります。
特に学年が変わって新しい担任の先生になったとき、今までこのような課題に取り組んでこんなふうに過ごしてきました、ということが伝わりやすくなります。
移行支援会議とは、特別支援学校高等部3年生のときに行われるもので、卒業後にどんな生活を送りたいか、専攻科に進学するか、就職を希望するか、そのためにどんな支援が必要なのかについて話し合う会議です。
特別支援学校を卒業する時期は、家族も本人も将来について強い不安を抱えがちです。そして家庭内で課題を抱え込んでしまい、自分を追い詰めてしまうという危険な時期でもあります。
サポートファイルには、それまで学校で行った勉強や作業の記録をすべて保管しておけるため、就職や進学の相談をするときにとても役立つでしょう。
小学校、中学校時にこんなことが不安だった、というメモを同封しておいてもいいかもしれませんね。
サポートファイルあいぽっぽ 配布場所
サポートファイルあいぽっぽは、鳥取市こども発達支援センターで配布しています。また、各小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校でも配布されています。
義務教育学校とは、小中一貫教育を9年間を前期課程と後期課程に分けて実施する、新しい形式の学校です。鳥取市内では、湖南学園、鹿野学園、福部未来学園、江山学園の4つがあります。
ファイルの配布に対し料金は無料ですが、基本的に18歳までの希望者が対象のようです。
詳しくは以下の窓口に問い合わせてみてください。
窓口 | 鳥取市役所駅南庁舎2番窓口 |
住所 | 鳥取市富安二丁目138‐4 |
電話番号 | 0858‐22‐8111 |
途切れることのない支援をサポートするファイル
鳥取市が配布しているサポートファイルあいぽっぽについて解説しました。小さな子どもを連れて相談窓口や検査に出かけるのは、それだけでも大変です。しかも、毎回同じ内容の説明を繰り返さなくてはいけないことは、ご両親にとって大きなストレスになるでしょう。
検査結果や日常的な観察記録、相談したい内容が時系列に沿ってファイリングされていることは、その負担を減らすきっかけになります。
発達相談や特別な支援が必要なお子さんをケアする組織、団体間の連携がうまく取れないことは長い間の課題でした。
今後、医療、福祉、教育の間の連携がもっと柔軟に変化していくことが望まれます。自分の子どもの発達の状況を把握する、すぐに理解してもらえるようにするためにも、サポートファイルあいぽっぽを活用してみてはいかがでしょうか。